トップメッセージ
「100年」を目指すのでなく、さらにその先も永続的に世の中に求められる企業でありたい。私たちは「インターフェースソリューションのリーディングカンパニー、変化に対応し成長し続ける101年企業」を志して企業活動に取り組んでいます。
社会の課題を解決していく上で思考し続け、情熱と誇りを持って業務に邁進しながらワクワクする明日を切り拓いていく。そして未来を担う次の世代へと想いをつなぎながら、101年後のその先も世の中に愛され、必要とされる「101年企業」を目指しています。
従業員のサステナビリティ意識を育て、ステークホルダーの皆さまから信頼される101年企業を目指します
株式会社ディ・エム・シー
代表取締役社長
定 達也
約10年のサステナビリティ推進活動の手応え
ディ・エム・シーは、当社が所属するアスコグループ共通の理念である「持続可能なワクワクする明日」の実現に向け、全社一丸となってサステナビリティを推進しています。
振り返れば、サステナビリティ推進に向けた取り組みを本格的にスタートさせたのは、2017年に遡ります。ヨーロッパのお客様から当社の取り組み状況を評価する目的で、評価機関の審査を受審するよう依頼され、これをきっかけに当社が直面するサステナビリティ課題とあらためて向き合うこととなりました。中でも緊急を要する課題が、製造工程におけるCO₂排出量削減の対策でした。当初はサステナビリティ担当が孤軍奮闘していたものの、約10年経ったいまでは、多くの従業員がCO₂排出量削減の重要性を意識して日々の業務に取り組むようになり、私自身、社内全体の意識変容に手応えを感じるまでになっています。
新たな目標設定とカーボンニュートラルへの道筋
当社が近年、CO₂排出量の削減に向けて特に注力している取り組みが、タッチセンサー用基板の回路形成工程で溶液の加温と乾燥によって多量のエネルギーを消費するウエットエッチング加工から、加温と乾燥が不要なレーザーエッチング加工への抜本的な移行です。そのメリットはCO₂排出量の削減だけではありません。ウエットエッチング加工で使う薬品は毒性が高く、従業員の安全や健康を損ねる危険があることや、薬品を洗浄したときの廃水処理の問題があり厳重に管理する必要があります。しかしレーザーエッチング加工への移行で毒性の高い薬剤が不要となり、2つの課題を同時に解決できるのです。顧客となる産業機器分野では長期安定供給が優先され、品質を担保するために製造法の変更に慎重にならざるを得ない事情もありました。しかしながら、お客様とともに時間をかけて検討を重ねた結果、2023年度より一部製品をレーザーエッチング加工に移行することができました。残る製品についてもお客様の承認を経た後、2026年度中に全製品の移行を目指しています。これもお客様との地道な対話の成果と自負しています。
2023年度に合併したタッチパネル応用製品(表示器、組込パネコン、モニタ)を製造するグループ会社(シーズウェア)と当社では扱う部材や生産工程に違いがあり、また、組織が違う文化の融合のため、統一した環境対策の考え方があったわけではありません。しかし合併を機に両社の優れた管理手法を融合させながら社内体制が整備されたことで、一段レベルの高い環境対策に向けて、新生ディ・エム・シーとして一丸となってサステナビリティ推進に取り組む体制を準備し、改善が進みつつあると考えています。
これら一連の取り組みのもと、2025年度中には新たな環境方針の策定と、スコープ3のCO₂排出削減目標を設定し、ディ・エム・シーが進むべき道筋を明確にします。加えて、今後もますます強まっていくことが想定されるお客様からの要請に応えるためにも、サプライチェーン全体で実効性のある施策を推進しなければなりません。現在の取り組みを次なる環境施策につなげ、2050年のカーボンニュートラル達成に向けて邁進します。
50年先も信頼され続ける「101年企業」を目指して
ディ・エム・シーの製品は世界で使用されており、小さいながらグローバル企業という一面も持っています。そのため世界のお客様からの信頼には、しっかりと応えていかなければ事業の継続はあり得ません。
当社はインドネシアにも生産拠点があり、日本のモノづくりを学びたい意欲ある従業員を技能実習生として日本に迎え、国内工場で業務を通じてモノづくりを学んでもらっています。母国に帰った後は、日本品質のモノづくりをインドネシア工場にも浸透させてくれることを期待しています。
ディ・エム・シーは2023年に創業50年を迎えました。これからも従業員、世界のお客様、パートナーの皆さまと手を携え、社会の変化にも応えながら信頼される企業であり続けます。そしてビジョンに掲げた「変化に対応し成長し続ける101年企業」を目指します。これは未来を担う次世代への想いを繋ぎ、社会から永続的に必要とされる企業であり続けるという強い意志の表れです。
社会に必要とされる会社になるためには、サステナビリティの取り組みは欠かせないものであり、その原動力は従業員一人ひとりが社会に貢献できていると感じる「ワクワク」です。いま以上にワクワクできる会社であるように努め、従業員とともに持続可能な社会の実現に取り組みます。