![軽荷重抵抗膜コントローラ](/_assets/images/product_images/product_images_tsc-52.png)
世界で普及し使われるタッチパネルの種類
![最も多くのシェアを獲得している静電容量方式タッチパネル](/_assets/images/library/library_images_thumb_03.png)
タッチパネルは直感的な操作が可能な入力デバイスとして、様々な機器に搭載されています。1970年代に登場して以降、静電容量方式、抵抗膜方式、超音波方式、赤外線方式など様々な方式が誕生してきました。2000年代までは、安定性、扱いやすさ、低コストなどの理由からアナログ抵抗膜方式が最も多く普及していましたが、2007年より投影型静電容量方式(PCAP)がスマートフォンに搭載されるようになってからは同方式が爆発的にシェアを拡大し、現在では最も多くのシェアを獲得しています。PCAPは、とりわけ抵抗膜方式より軽い操作感と、スマートフォンによるフリック、ピンチ、回転などのジェスチャー操作を効果的に採用したアプリケーションが新たな付加価値として市場に受け入れられたことが、抵抗膜方式に代わって首位を獲得した大きな要因です。
![産業市場で主流の抵抗膜方式タッチパネル](/_assets/images/library/library_images_02_1.jpg)
それでは抵抗膜方式の需要が全くなくなってしまったかといえばそうではなく、その安定した操作感や入力媒体を選ばないという特徴から、産業用途においては抵抗膜方式も依然として根強い需要があります。特に工場などのノイズが多い設置環境においては、周辺ノイズの影響を受けやすいPCAPより、そういった設置環境に多くの実績を持つ抵抗膜方式が選択される場合も多いです。
通常のアナログ抵抗膜方式のタッチパネルはその検出原理から、入力には一定の押し圧が必要であり、また1点座標のみを出力しますが、DMCが開発した軽荷重抵抗膜方式タッチパネルソリューションでは軽い押し圧でも入力することができ、なおかつ2点の座標出力に対応することで、PCAPのようなジェスチャー操作を可能にしています。
現在抵抗膜方式を使用しているユーザーは、PCAPに変更しようとすると今までになかった周辺ノイズへの配慮が必要になるため、大幅な設計変更が必要になります。しかしDMCの軽荷重抵抗膜方式タッチパネルと抵抗膜ジェスチャー対応コントローラを採用すれば、従来の使い慣れた抵抗膜方式のまま、スマートフォンのようなフリックやピンチ操作を取り入れることができます。
抵抗膜方式タッチパネル
CONVENTIONAL RESISTIVE TOUCHSCREEN
![抵抗膜方式タッチパネルの基本構造](/_assets/images/detail_point/detail_point_method_resistive_film_glass.jpg)
抵抗膜方式は、透明電極付きの上部と下部の基板(フィルムやガラス)が向かい合うように配置されています。上下基板の間には隙間があいており、上部基板がタッチにより押下されてたわむと、下部基板と接触(ショート)して導通し、タッチパネルコントローラは電圧を測定します。接触している箇所により検出される電圧が変わるため、座標位置を特定することができます。
抵抗膜方式タッチパネルは物理的に押下されないとOnせず、接触箇所に応じた電圧を測定してタッチ位置を特定するため、外部ノイズの影響を受けにくいというメリットがあります。パネルに水や埃がついても誤動作しません。触れるだけではOnしないため、誤入力されにくく、確実な操作が要求される産業用途では人気があります。逆に物理的に押下さえすれば入力できるため、入力媒体を選ばず、手袋やペンなどでも入力できることも魅力です。
![抵抗膜方式タッチパネルの座標検出原理](/_assets/images/detail_point/detail_point_method_04.jpg)
xl | A_in(V) | 出力座標データ例 |
---|---|---|
A | 0 | 0000h(Min) |
B | 1.25 | 00FFh |
C | 2.5 | 01FFh |
D | 3.75 | 02FFh |
E | 5 | 03FFh(Max) |
しかし、従来の抵抗膜方式タッチパネルは基本的にシングルタッチのみで、また押して入力するという性質上、スマートフォンのようなフリック、ピンチ、回転操作には不向きでした。
軽荷重抵抗膜方式タッチパネルとジェスチャー対応コントローラ
DMCが開発した軽荷重抵抗膜方式タッチパネル「LSTシリーズ」は、構造を工夫してフィルムとガラスが接触する際の摩擦を減らすことにより、従来の抵抗膜方式タッチパネルよりも少ない押圧で入力することが可能になっています。さらに上部基板には、表面が滑らかで指が滑りやすいフィルムを採用することで、フリックやピンチ操作がしやすくなっています。DMCの従来の抵抗膜方式タッチパネル製品、ASTシリーズの動作荷重仕様0.05N~0.8Nと比較して、LSTシリーズは0.03N~0.3Nとなっており、約半分の荷重で入力できるようになっています。
抵抗膜方式のタッチパネルコントローラは、タッチした時に得られる電圧の値によって座標を決定します。もし2点がタッチされた場合、通常は2点の中間点に相当する電圧が得られるため2点の中間点の座標が出力されます。DMCのジェスチャー操作対応の抵抗膜タッチパネルコントローラ「TSC-52シリーズ」は、独自のアルゴリズムにより1点タッチと2点タッチを識別し、もし2点タッチされている場合は、得られる電圧値からタッチされている2点の場所を予測して出力します。これにより、2点でのピンチ操作や回転操作に対応しています 。(ただし、2点タッチ時の座標精度は低いため、Shiftキー操作やFnキー操作のような2点入力には対応していません。)DMCの抵抗膜方式タッチパネルソリューションは、これらの軽荷重と2点検出の技術を組み合わせて、PCAPのようなジェスチャー操作を可能にしています。
![フリック、パン操作](/_assets/images/detail_point/detail_point_gesture_01.jpg)
![ピンチ、ターン操作](/_assets/images/detail_point/detail_point_gesture_02.jpg)
抵抗膜方式のままで機能をアップデート
スマートフォンが普及している昨今では、普段使い慣れた軽い操作感やジェスチャー操作がユーザーから求められており、抵抗膜方式からPCAPへの切り替えも増えています。しかし上記の通り、PCAPには、抵抗膜方式では不要であった周辺ノイズへの配慮や対策が必要なため、大幅な設計変更が必要になります。またノイズが多い設置環境では、現地でコントローラの調整が必要な場合もあり、サポート費用がかかります。DMCのLSTタッチパネルとTSC-52タッチパネルコントローラを使用すれば、従来と同じ抵抗膜方式タッチパネルの設計で、軽い操作感とジェスチャー操作を実現することができます。
またDMCは、抵抗膜方式でもベゼルレスなフルフラット構造を可能にするため、加飾印刷をした上部基板フィルムとFPCを通す穴をあけた下部基板ガラスを組み合わせたLST-Dシリーズを開発しました。操作感だけでなく、デザインもPCAPのようにできるこのタッチパネルは、従来の抵抗膜ユーザーにとって、タッチパネルの方式を変更せずにユーザーエクスペリエンスを向上させることができる理想的なタッチパネルソリューションです。
こんなアプリケーションにおススメ
![表示器](/_assets/images/library/library_images_02_1.jpg)
![産業機器](/_assets/images/case/case_industrial-machine.jpg)
![工作機械](/_assets/images/case/case_industrial1.jpg)
![計測機器](/_assets/images/case/case_mesure_equip.jpg)
![医療機器](/_assets/images/case/case_dental.jpg)
![POS/KIOSK端末](/_assets/images/case/case_terminal_01.jpg)
![軽荷重抵抗膜タッチパネル](/_assets/images/product_images/product_images_lst-series.png)